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2018年8月13日 (月)

決闘祭!   Act 163 因果−クライムベリー

◆ ◆ ◆
ま、言ってしまえば無堂忠誠は全裸革命の犠牲者だ。
彼女とて、最初から犯され好きの淫乱女だったわけではない。
引っ込み思案の潔癖症。しかし無堂という珍しい姓を持ち、それは革命のリーダーと同じ苗字。
全裸革命に便乗した者の大半は、若くて綺麗な女が、あられもない恰好で練り歩くのを見たいだけだ。
それは健全な思考だろう。無堂忠誠を、レイプOKの変態女と決めつけて、強姦するよりは。
怪しい薬を注射されて、無堂忠誠は輪姦された。
薬の染み渡った脳髄は、いとも容易く陵辱を受け入れてしまう。
痛みも嫌悪も吹き飛んで、気が付けば素面で男を求め、孕んでからも荒淫は加速していく。
男に金銭を払い、奴隷として肉体を差し出して、子供も顧みず淫行に耽る。
どいつもこいつもサービスされていってね?
あたしは、無堂忠誠は、どうせ人として終わっているから。
◆ ◆ ◆
無堂無有:LP2100、手札2
場:邪帝ガイウス(攻2400)
場:星見世界(フィールド魔法)、伏せ×1
無堂誇大:LP750、手札3
場:素早いモモンガ(攻1000)、素早いマンボウ(攻1000)、素早いマンタ(攻800)
場:
「私のターン、ドローだぴょん。マンボウとマンタを生贄に、母なる海から私の切り札を召喚するんだなあ。」
手の甲をペロリと舐めた誇大さんは、4枚の手札から1枚を摘んで、場に出した。
「にゃはははははは、いにしえの深海より泥塗れで現れよ、《超古深海王シーラカンス》!!」
超古深海王シーラカンス レベル7 水属性・魚族
攻撃力2800 守備力2200
1ターンに1度、手札を1枚捨てて発動できる。
デッキからレベル4以下の魚族を可能な限り特殊召喚する!
(この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃宣言できず、効果は無効化される)
フィールドのこのカードを対象とする魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、
このカード以外の自分フィールドの魚族1体を生贄にすることで無効にして破壊する!
「ある意味こいつは反則みたいなカードだよん。このゲームにおいて、明らかにオーバーキル級のパワーを持っている。シーラカンスは手札1枚をコストに、しもべをコールすることが出来る! もしもし? もしもし? 《おジャマジック》を捨てまして、もしもし《恍惚の人魚》! もしもし《グレート・ホワイト》! もしもし《レインボー・フィッシュ》!」
恍惚の人魚 レベル3 水属性・魚族
攻撃力1200 守備力900
海を航海する者を誘惑しておぼれさせる、美しい人魚。
グレート・ホワイト レベル4 水属性・水族
攻撃力1600 守備力800
巨大な白いサメ。
大きな口で噛みつかれたら逃れられない。
レインボー・フィッシュ レベル4 水属性・魚族
攻撃力1800 守備力800
世にも珍しい七色の魚。捕まえるのはかなり難しい。
「シーラカンスでガイウスを攻撃!」
「くっ・・・」
《邪帝ガイウス》 (破壊)
無堂無有:LP2100→1700
「ですが、リバースカードオープン、《レベル・レジストウォール》!」
レベル・レジストウォール (罠カード)
自軍のモンスターが破壊されたときに発動!
破壊されたモンスターのレベルと同数になるように
2体以上のモンスターを守備表示で特殊召喚する!
「おでましィもももももももも《モリンフェン》様あああああああダブルブルブルブルーベリー!!」
「落ち着け!」
「はっ・・・!」
玄竜さんの言葉で、僕は正気に戻った。
モリンフェン様の美しさは、僕という矮小な精神を錯乱させるには十分すぎる。
しかし決してモリンフェン様は、僕を錯乱させようとしていない。僕が勝手に錯乱しているだけだ。
硫化水素を呼吸する生物にとって酸素が猛毒であるように、モリンフェン様の酸化力の前に、僕というアーキタイプのバクテリアは、惨めにも脳髄を焼き尽くされてしまう。ただそれだけのこと。
デュエル中なのに自然界の摂理を教えられるとは、やはりモリンフェン様は余裕だ。僕に勇気を与えてくれる。
無堂無有:LP1700、手札0
場:モリンフェン(守1300)、モリンフェン(守1300)
場:星見世界(フィールド魔法)
無堂誇大:LP750、手札5(おジャマ3兄弟、???、???)
場:超古深海王シーラカンス(攻2800)、素早いモモンガ(攻1000)、恍惚の人魚(攻1200)、グレート・ホワイト(攻1600)、レインボー・フィッシュ(攻1800)
場:
「あらら、読み間違えた・・・。こいつを出していれば勝っていたなあ、5体のモンスターをパイルダーオーン! 《真魔獣ガーゼット》!!」
真魔獣ガーゼット レベル8 闇属性・悪魔族
攻撃力0 守備力0
自軍のモンスターを全て生贄に捧げた場合のみ特殊召喚できる。
このカードの攻撃力は、このカードを特殊召喚するために
生贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値になる。
守備表示モンスターを攻撃した場合、
守備力を攻撃力が超えた分だけ貫通ダメージを与える!
「な、ガーゼット!?」
《真魔獣ガーゼット》 (攻0→8400)
「にゃはははは、デュエリスト能力だけに頼ったデッキ構築なんかしてないよ。むしろ“まんべんなく”いろんなカードを入れているって。“素早い”シリーズに偏ってはいるけどさぁ。」
「・・・僕も同じです。《モリンフェン》様を基調とするデッキではありますが、浅ましい僕は、どうしても自己主張をしたがります・・・そんな邪悪を、お見せしますね?」
邪悪な儀式 (魔法カード)
全てのモンスターの表示形式を入れ替える!
「あらら、なるほど・・・」
「ガーゼットを出したのは、裏目に出ましたね!」
無堂無有:LP1700、手札0
場:モリンフェン(攻1550)、モリンフェン(攻1550)
場:星見世界(フィールド魔法)
無堂誇大:LP750、手札4(おジャマ3兄弟、???)
場:真魔獣ガーゼット(守0)
場:
「脆い。」
《真魔獣ガーゼット》 (破壊)
「では、《モリンフェン》様・・・・・・どうかどうか直接攻撃ご覧じあそばされくださいませ!!」
しかし、誇大さんは、あろうことか《モリンフェン》様の鉤爪から逃れた。
理解できない。力を制限されているとはいえ、鉤爪から逃れるなんて不可能なはず―――・・・
・・・―――いや、そうか。
「言うまでもないと思ってたから言わなかったけど、“敏捷”(クロックマウス)は、プレイヤーにも適用されるよ。」
ですよね。虚数能力ですもんね。まったく気付くのが遅すぎた。エクゾディアさえも彼女の前では鈍間な巨人だ。
どうして僕は、デュエリスト能力に「レベルが存在している」ことを、もっと意識しなかったのだろう。
玄竜さんとのデュエルで、何も学んでいないのか、この愚かなる僕という供物は!
強さをレベルで分類しているからといって、それ以外の意味が無いとは限らないのに・・・。
ああ、まったく、リンネさんの呆れた様子が目に浮かぶようだ。
“掌握の力”や“回帰の力”という、位階を持たないデュエリスト能力を見ていながら、僕は。
未来アドバンテージを活かせていない。
こうなってくると、迂闊に《星見世界》を発動したのは失敗だった・・・いや、条件は僕も同じだ。
レベル1能力者の僕に、レベル10のモンスターが攻撃すれば、回避率は180パーセント。回避確定。
そうだ、誇大さんのデッキコンセプトからして、《ラージマウス》などのダイレクトアタッカーも入っているはず。
失敗どころか、思わぬところで命拾いしていたのでは・・・。うん、慌てなくていい。後悔しなくていい。
後悔することがあるなら、忠誠さんの件だ。
「忠誠さんが酷い目に遭ったのは、僕の責任です。彼女を・・」
「あらら、責任は無いよ? 原因ではあってもね。だって君は、知らなかったんでしょう? もう今の段階では、嘘をついていると疑う必要もないわけだし。」
「・・・・・・」
「でもまあ、デュエルで叩き潰してやろうって気概が湧いてくるくらいの怨みはある。それ以上は無いけどさ、多分それだけで十分なんじゃない?」
引いたカードを誇大さんは、ペロリと舐めて叩きつけた。
「おジャマ、レ〜ッド! ここに私がいる限り、ここから先へは通さない。必☆殺《おジャマ・デルタハリケーン》!!」
「うわわああああああああああ《モリンフェン》様あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
無堂無有:LP1700、手札0
場:
場:
無堂誇大:LP750、手札0
場:おジャマ・レッド(攻0)、おジャマ・イエロー(攻0)、おジャマ・グリーン(攻0)、おジャマ・ブラック(攻0)
場:
おジャマ・レッド レベル2 光属性・獣族
攻撃力0 守備力1000
このカードが召喚に成功した時、
手札からおジャマを4体まで攻撃表示で特殊召喚する事ができる!
「あらら、フィールドが一掃されたみたーい♪ だけど可愛い獣たちは攻撃力0なので、
デッキマスター効果を適用しようかな。」
・・・・・・え?
無堂無有:LP1700→1300→900→500→100
無堂誇大:LP750→950→1150→1350→1550
「あらら、花の香りは気にならなかった?」
そうだ。僕は何かを見落としてないか不安だった。
またしても僕は、思考を停止させていたんだ。
「・・・その花、《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》ですか!?」
「にゃはははは、よく知ってたね。アマリリスのデッキマスター能力は、自爆の付与なんだ。」
不死の房(クラッシュ・スター) デッキマスター能力
自軍モンスターの攻撃時、そのモンスターをレベル×200ポイントの攻撃力の
エクトプラズマーとして射出することが出来る!
この効果で相手に与えたダメージの半分を回復する!
「実体化したカードをインテリアに偽装してやがったのか! 汚ねぇ!」
「あらら、玄竜くーん。私はデュエリスト能力だけに頼ったデッキ編制なんかしないよ?」
「ぐっ・・・その通りだな! だが、自分だけデッキマスターを用意してるのは汚ねぇぞ!」
「玄竜さん、文句を言っても始まりません。勝てばいいんです。まだ僕は負けていません。」
アマリリスのレベルは8だけど、おジャマたちはレベル2だ。
それぞれ80パーセントの確率で、僕に攻撃は命中する。
4体とも命中するのは4割ってところだけど、それでもライフは残った。
「僕のターン、ドロー!」
無堂無有:LP100、手札1
場:
場:
無堂誇大:LP1550、手札0
場:
場:
デッキマスターを召喚しなかったということは、誇大さんのデュエリスト能力は、戦闘だけではない。
モンスター効果にも適用されるということだろう。
しかし、レベル1のモンスターを引かれたら同じことだ。
このターンで決着をつけないと、おそらく次のターンで倒される。
だけど・・・
手札:ダーク・ウェーブ
単独では機能しない、このカード。
今となっては懐かしい地下都市でのライディングデュエルで、比呂子ちゃんが使っていたカード。
ダーク・ウェーブ (魔法カード)
場のモンスター1体のレベルに−1を掛ける!
くそっ、誇大さんのライフポイントは、まるでジャストキルを演出する為に辻褄合わせのデッキマスター能力を登場させたように、《モリンフェン》様の攻撃力と等しいというのに!
どうして、僕は・・・《死者蘇生》が、引けないんだ・・・。
・・・いや、考えろ。まだ僕は何かを見落としているのではないか?

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